Windows10のノートPCでクラムシェル的なことはできないもんかと調べて実践したら意外とあっさりできた。
終わってみればあっさりだけど、いくつかポイントがあったから今回はそれを記事にしてみる。
パソコン本体のスペックや接続機器によって違うかもしれないけど、「少なくとも僕の環境ではこうやったらできたよ」というのを紹介する。
ノートパソコンと外部モニターを接続して、外部モニターをメインで使いたいWindowsユーザーには是非読んで欲しい。
WindowsノートPCクラムシェル化の定義と僕のパソコン環境
まずはWindowsノートPCクラムシェル化について定義しておく。
- ノートパソコンは常に閉じた状態
- 外部モニター・外部キーボード・外部マウスで作業
- 作業後はスリープ状態にしておく
- 作業開始はキーボード・マウス等でスリープ状態を解除する
これが世間一般のクラムシェルの正式な定義かはわからないけど、今回紹介する「WindowsノートPCクラムシェル化」では上記4点をクリアできればOKということでご勘弁頂きたい。
項目4の「キーボード・マウス等でスリープ状態を解除する」がWindowsノートPCクラムシェル化におけるポイントで、スマートに起動できるかは使いやすさと完成度に直結するから妥協してはいけない。
僕のパソコンスペックと周辺機器

続いて、僕が日常的に愛用しているパソコン・周辺機器について極簡単に紹介する。
この後紹介するWindowsノートPCクラムシェル化の各設定はこれらの組み合わせで実施している。
コスパ重視で買ったレノボのノートパソコンと、コスパ度外視に見た目と性能で選んだロジクールのキーボードとマウス。
コスパも性能も度外視で、ほぼ見た目だけで選んだDELLのウルトラワイドモニター。

見ての通り特殊な機材もない到って普通のパソコン環境であることはご理解頂けたと思う。
少なくともこの組み合わせなら、WindowsノートPCでクラムシェル的運用ができる。


WindowsノートPCクラムシェル化の設定方法
早速クラムシェル化の設定について紹介する。
WindowsノートPCクラムシェル化に必要な設定・作業は大きく分けて5つ。
- パソコンを閉じてもスリープ状態にならないように設定する
- スリープ状態が続いたとき休止状態にならないように設定する
- スリープ状態でUSBポートが機能するように設定する
- キーボード(又はマウス)をUSB接続(Unifying)に設定する
- 外部モニタとノートパソコンをHDMIケーブルで接続
この内項目1~3はパソコン本体(Windows)の設定で、残る項目4はキーボード(又はマウス)の設定。
項目5はハード的な設定、要は物理的にケーブルを差すだけのことだ。
各項目に番号は振っているけど、順不同だから好きな項目から設定して全く問題ない。
1.パソコンを閉じてもスリープ状態にならないように設定する
クラムシェルはその名の通り、ノートPCを貝殻のように閉じた状態で使用する。
ただ、Windows10の初期設定だとノートパソコンを閉じるとスリープ状態になってしまうから、その設定を変更する。
1.画面下部(タスクバー)にある検索(虫眼鏡アイコン)から[コントロールパネル]を検索しクリック

2.[システムとセキュリティ]をクリック

3.[電源オプション]をクリック

4.[カバーを閉じたときの動作の選択]をクリック

5.[カバーを閉じたときの動作:]→[電源に接続]→[何もしない]を選択
6.[変更の保存]をクリック

これで設定変更がひとつ完了。
ノートパソコンを閉じた状態でもスリープ状態にならず、ノートパソコンを閉じて外部モニターを使う運用が可能になる。
もちろんこの時[電源に接続]と合わせて[バッテリ駆動]の項目も[何もしない]に設定しても何ら問題はない。
むしろノートパソコンを家から持ち出して使うことの多い人は、両方とも[何もしない]にしておいた方が無難だ。
2.スリープ状態が続いたとき休止状態にならないように設定する
クラムシェル的運用は、作業を終えたら、基本シャットダウンせずスリープ状態にしておく。
スリープ状態にしておけば、次に作業するときにマウスやキーボードを押す事で立ち上げることができるからだ。
で、今項目はパソコンをシャットダウンせずスリープ状態で放置するために必要な設定。
Windows10の場合、スリープ状態で放置すると初期設定だと180分後に休止状態へモードが移行する。
休止状態になってしまうと、立ち上げに電源ボタンを押す必要があって、パソコンを開いて電源ボタンを押してまた閉じる作業が必要になってしまう。
1.画面下部(タスクバー)にある検索(虫眼鏡アイコン)から[コントロールパネル]を検索しクリック

2.[システムとセキュリティ]をクリック

3.[電源オプション]をクリック

4.[プラン設定の変更]をクリック

5.[詳細な電源設定の変更]をクリック

6.項目[スリープ]→[次の時間が経過後に休止状態にする]→[電源に接続:]→「0」を入力
7.[OK]をクリック
※「0」を入力すると表示が[なし]になる

これで設定変更がまたひとつ完了。
スリープ状態が長く続いても休止状態にならずに済む。
3.スリープ状態でUSBポートが機能するように設定する
スリープ状態を解除するには、キーボードやマウスで何らかの操作をすれば良いんだけど、Windows10の初期設定はスリープ中に様々な機能が無効になっていて、USBポートやBluetoothも機能しない設定になっている。
つまり、USBやBluetoothで接続しているキーボードやマウスはスリープ状態では全く使えず、スリープ状態を解除するためにパソコンを開いてパソコン本体のキーボードやタッチパッドを操作しなくてはいけない。
そんな操作を不要にするため、スリープ中にもUSBポートやBluetoothが機能するように設定を変更するんだけど、今記事では「USBポート」の方だけ紹介する。
というのも、Bluetooth接続はどう設定してもスリープ状態では機能しなくて、結局USB接続にすることでスリープ中にキーボード(マウス)の操作が可能になったからだ。
「スリープ中 Bluetooth接続」なんかでググると設定方法が出て来ると思うから、興味のある人は是非調べてみて欲しい。他力本願。
1.画面下部(タスクバー)にある検索(虫眼鏡アイコン)から[コントロールパネル]を検索しクリック

2.[システムとセキュリティ]をクリック

3.[電源オプション]をクリック

4.[プラン設定の変更]をクリック

5.[詳細な電源設定の変更]をクリック

6.項目[USB設定]→[USBのセレクティブサスペンドの設定]→[電源に接続:]→[無効]を選択
7.[OK]をクリック

これで設定変更がまたまたひとつ完了。
スリープ中にUSBポートが機能することで、スリープ状態の解除をキーボード操作で行えるようになる。
4.キーボード(又はマウス)をUSB接続(Unifying)に設定する
前項で書いたように、スリープ中のBluetooth接続がどうにも上手く行かなくてUSB接続の方だけ上手く行った。
キーボードとマウスは元々Bluetooth接続で使っていたんだけど、キーボードだけUSB接続に変更してスリープ中にキーボードだけは機能する状態を作り出ることに成功。
USB接続の設定方法はキーボード・マウスの機種やメーカーによって設定方法が多少違うはずだから、申し訳ないけどこの辺は各自で愛用機種の取説なんかで確認して欲しい。
僕の場合はロジクールのキーボード・マウスを使っているから、ロジクールの専用アプリ「Logi Options」から簡単にUSB接続を設定できた。
「Logi Options」での設定方法は別記事で改めて解説する予定、しばしお待ちを。

さ、これにてスリープ中キーボードのいずれかのキーを押せばパソコンが立ち上がるようになった。
押すキーは別に何でもいいんだけど、何となく「enter」キーを押しちゃうのは「スリープ解除あるある」だと思う。

もちろんキーボードじゃなくマウスをUSB接続にしても構わないんだけど、その目的が「スリープ解除」であることを考えるとマウスよりキーボードの方がスリープ解除には適している。
理由は、マウスだと不意にちょっと触っただけでスリープ解除になってしまうからで、対してキーボードは何かしらキーを押さなければならず、マウスに比べ不意に触ってしまう可能性が低いんだよね。


5.外部モニターとノートパソコンをHDMIケーブルで接続
当たり前っちゃ当たり前なんだけど、ノートパソコンと外部モニターを有線で接続しないとクラムシェル運用はできない。
これはパソコンの機種によるんだけど、僕の愛用パソコン「IdeaPad S540 Windows10(Lenovo)」の場合はHDMIケーブルで外部モニターへ映像を出力できる。


この作業に関してはケーブルを物理的に差すだけで、ソフト的な設定変更はいらない。
WindowsノートPCでクラムシェル化は可能
画してWindowsノートPCクラムシェル化は無事成功。
設定変更はいくつか必要だけど、所要30分、余裕を見ても1時間で終わる程度のもの。
全く難しくないから、WindowsノートPCでクラムシェル的運用を考えている人は是非チャレンジして欲しい。
そもそもMacbookを買えばこんな設定変更も要らない。
予算があってWindowsにこだわりがない人は、Macbookを買ってサクッとクラムシェル化してしまえ。



